一人で土産の悪口を書きまくっているサイトの凄み ランキング風の個人ブログでインターネットの深淵を覗いてしまった

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ネット上で目にしたランキング記事が面白すぎた。まず順位をお伝えしよう。

一位 沖縄県:ちんすこう
二位 千葉県:ピーナッツ最中
三位 静岡県:うなぎパイ
四位 神奈川県:鳩サブレー

とランキングが続いていく。勘のいい人はコレを見ただけで、何のランキングかピンと来ていることだと思う。

「嬉しい土産物のランキング!」私はそう考えた。だが違っていた

逆だった。もらっても嬉しくないランキングだった。

全国47都道府県貰っても嬉しくないお土産ランキング!飽きた・美味しくないと不評不人気な土産はどれ!

LIFE

嫌なランキングである。

土産をもらっておいて、嬉しくないというのも失礼な話だ。それがランキングになるくらい多くの人が土産をもらっておいて「うわ、これ嬉しくねぇ」と言っているのだろうか。恐ろしく感じた。もう旅行に行ってもお土産を買えない。

嬉しくない理由

1位 沖縄県 ちんすこう

せっかく土産をもらっておいて、なぜ嬉しく感じないのか、内容を少し見てみよう。

1位は沖縄県:ちんすこう

沖縄県:ちんすこうをお土産でもらっても嬉しくない理由(抜粋)

ちっとも美味しいと感じません。何故だか解りませんが、本当によく沖縄土産として良くいただきますが、個人的には少しがっかりしてしまいます。手軽でお手頃価格でお土産にしやすいのかも知れませんが、出来れば他のものでお願いします。

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ちっとも美味しいと感じない、そして価格が安いから嬉しくないらしい。できれば他のものでお願いしますとのことだ。厚かましくないか。

食べるともさもさした独特な食感がして、あまり好きではありません。安いし、たくさん入っているので、沖縄に行った人はほとんどこれを買ってくるので、正直、飽きます。たまに、ブドウ味とかパイナップル味の変わり種のちんすこうも貰いますが、味はほぼ変わりません

LIFE

安くて沢山入っているから、沖縄に行った人はほとんどちんすこうを買ってくるから正直飽きたとのことだ。正直過ぎる。

パイナップル味とかもあるけど味はほぼ変わらないとも言っている。パイナップル味は流石に特徴的な味がすると思うんだが。

2位 千葉県 ぴーなっつ最中

ランキングの2位も見てみる。

2位は千葉県:ぴーなっつ最中

千葉県:ぴーなっつ最中をお土産でもらっても嬉しくない理由(抜粋)

私の妻が、千葉県出身で初めての挨拶の際に、私の両親に買ってきたのですが…両親ともにピーナッツアレルギーで私が全部食べた記憶がありますが、やはり最中は大豆の餡が入った最中に限ると思いました。個人的な意見ですが、あまり美味しくなかったです。私は、ピーナッツは好きなので、パンに塗って食べるのが一番ですね。

LIFE

両親がピーナッツアレルギーのため、土産でもらったぴーなっつ最中を全て一人で食べて、あまり美味しくなかったとのことだ。

ご両親には申し訳ないが、ここでピーナッツアレルギーの話を出すのは間違っていないだろうか。ピーナッツは好きだからパンに塗って食べたいと言っている。

ピーナッツバター

ぴーなっつ最中はピーナッツバターに負けてしまった。ピーナッツ最中のパッケージはあんなに可愛らしいのに。

3位 静岡県 うなぎパイ

ランキングの3位も見てみる。

3位は静岡県:うなぎパイ

静岡県:うなぎパイをお土産でもらっても嬉しくない理由(抜粋)

・うなぎパイを以前会社の先輩からもらったが正直ただのお菓子でしかなかった。なぜうなぎと書いてあるかも理解できないし、あの糖分がついてるザラメ的なのが見ていて気持ち悪かった。

LIFE

うなぎパイの悪口が並んでいる。うなぎというネーミングがわからないとのことだ。Wikipediaによるとうなぎパイはうなぎの味はしないそうだ。

ウナギのエキスをパイ生地に練りこんで焼き、最後に蒲焼のようにたれを塗って仕上げたもので、春華堂の登録商標(第2719548号ほか)となっている。うなぎの味はしない

Wikipedia うなぎパイ

エキスがパイに練り込まれていて、蒲焼の様に仕上げているとなっている。Wikipediaの記事を見るまで筆者もうなぎパイとウナギの関係性は知らなかった。これは春華堂の努力不足かもしれない。

「ザラメ的なものが気持ち悪い」とも言われている。この人はトライポフォビア(集合体恐怖症)かもしれない。蜂の巣や蓮の実が苦手というやつだ。

ザラメが表面にまぶされているお菓子や食品はまあまあ見かけるので、トライポフォビュアの方は大変だなあと同情を禁じえない。

誰の意見なのか全く記載なし

と、このサイトを途中まで読んでいて、気になったことがある。アンケートの調査対象や、回答者の性別や属性等が全く書かれていない。

こういうアンケート記事では通常調査対象や、調査数、投票数が明記されていることが多い。

わりとどうでもいい記事ばかりが載っていることで定評のある「しらべえ」でも調査対象や調査人数はしっかりと記載されている。

しらべえ

ゲームでトラウマになった経験のある人の割合など、死ぬほどどうでもいいことだが、しらべえは全国の1000名に調査したようだ。対象は10代から60代の男女となっている。調査対象やその属性がしっかりと記載されている。

ところが今回取り上げた「貰っても嬉しくないお土産ランキング」では「誰に聞いたのか」「だれの意見」なのかが全く書かれていない。

また順位の根拠も全く示されていない

ちんすこうに何票とか、うなぎパイに何票という記載は一切ない。どうやって順位をつけたのかが一切不明なのだ。

4位の嬉しくない理由を見てみる。4位は神奈川県の鳩サブレーだ。

LIFE

ただただ意見が羅列されているだけなのだ。普通であれば意見の後に「30代女性」とか「男性:東京都」などと書かれていそうなものだがそういったものは全く無い

どこが書いた記事なのか

そもそもこの記事はどこが書いたものだろう。

記事の左肩には「LIFE」というロゴマークが入っている。

記事の一番下には運営者情報のリンクがあった。クリックしてみる。

運営者は「LIFE編集委員会」とだけ書いてある。お問合せ先のリンクをクリックしてみる。

問い合わせフォームが出てくるだけだった。「LIFE編集委員会」の実態が全くわからない。大きな組織なのか?代表者は誰なのか?その所在地はどこなのか?何人で運営しているのか?「LIFE編集委員会」は全く謎の運営者である。

気を取り直してこの「LIFE」の最新記事を見てみる。

パチンコ・パチスロの記事だらけだった。「LIFE編集委員会」はパチンカーの集まりなのか?怖い。勇気を振り絞ってパチンコ記事のリンクをクリックしてみる。

こちらにもパチスロ台のアンケート的な感想っぽいものが載っている。しかしやはりその感想の回答者に関する情報は一切書かれていない。

それってあなたの感想ですよね

これを読むうちに、これは評判ではないな?ただ単にこの記事の筆者の感想が書かれているだけではないか?という疑問を持った。つまり「それってあなたの感想ですよね」状態なのではないだろうか。

恐らくこのサイトは、アンケートサイトを装った個人ブログだ。

おそらく一人の運営者が記事を書いていると思われる。それにしてもなかなかの労力だと思う。貰って嬉しくない土産の記事では、全国の土産物を嬉しくない順で20位から1位までランキング化した上で、それぞれの土産物の嬉しくない理由を書いている。嬉しくない理由も一つの理由に300文字前後は書いている。嬉しくない理由がそれだけ大量に書けるというのは、それだけで才能かもしれない。

試しにこのサイトの検索窓で「土産」のキーワードで検索すると10件ほどの記事がヒットした。

もらって嬉しくない土産以外にも、「買ってはいけないお土産ランキング」「お土産をもらって嬉しい都道府県ランキング」「実は不味いお土産ランキング」「お土産不人気都道府県ランキング」等々おせっかいなランキング記事が数多くある。

それぞれ20位くらいまでのランキング形式で、それぞれのお土産や都道府県の悪口が並んでいる。それだけ悪口が書けるというのはやはり才能だと思う。悪口を書く才能だ。

記事として面白いかどうかはともかくとして、そのボリュームはかなりのものだ。そして記事自体のボリュームも大きいが、記事数が恐ろしくある。

このサイトは1ページに記事が20個並んでいるのだが、それが執筆時には197ページあった。4000個弱の記事がこのサイトに並んでいることになる。「それってあなたの感想ですよね」な記事でも4000個書くには相当な労力だろう。

このサイトの運営者はお土産の文句を書き並べる技術は日本で10本の指に入るかもしれない。インターネットの深淵を覗いてしまった冬のある日だった。