バズりたくて仕方のない人々が炎上してしまった話 

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人には誰しも承認欲求というものがある。人から自分の存在や能力を認めてもらいたいという欲求だ。人から「よくやってる」とか「立派だよ」とか言われたい。ワタシもそうである。こんな辺境のブログでも誰かが「良いねボタン」を押してくれるととても嬉しい気分になる。良いねボタンを押されて嬉しいのは承認欲求が満たされるからだ。

承認欲求を強烈に満たす「バズり」

バズりたくてTweet

承認欲求をもっと強烈に満たす方法がある。SNSでの「バズり」である。特に「バズり」が目につくのがTwitter(現X 以下Twitterと表記する)である。Twitterを利用する目的は人によって様々だろうが、バズりたくてTwitterを使っている方が一定数存在すると思われる。

バズるという状態の定義が定かでは無いが、良いねやリツイートが千の単位でつくのがバズるという状態だろう。ワタシはTwitterでバズった事が無い。というかTwitterに限らず人生においてバズっている状態を経験したことが無い。凪の人生である。

バズりたくて仕方がない人

ワタシの話はどうでもいいのだが、インターネットで散歩をしているとしばしば「バズりたくて仕方がない人」を見かける。「バズりたくて仕方がない人」をワタシが見かけるのは大抵の場合その人がバズった時である。というのは「バズりたくて仕方がない人」が有名人でない場合、その人を知る機会が無いからである。

「バズりたくて仕方がない人」がバズった姿を見て「あ、この人はバズりたくて仕方がなくて、この度めでたくバズったんだな、羨ましいな」という具合にその「バズりたくて仕方がない人」の存在を知るわけである。

称賛のバズリ

バズるのにも理由が色々ある。称賛のバズリというのがある。これは健全なバズリだ。例えばワタシが将棋で八冠を獲得してTwitterに「将棋で八冠獲得したんだけど自慢していい?」などと投稿すれば間違いなく称賛のバズりを得られる。もしくは「努力の末に宇宙飛行士に合格した」でも良い。間違いなく称賛が寄せられるだろう。

しかし称賛のバズリを得るのはなかなか大変である。将棋で八冠など、日本で一人しか達成していない。藤井聡太しか使えない投稿である。しかも藤井聡太でも「八冠獲得した」は一回しか使えない。そもそもバズるのは「めったに起きない事象」だからバズるのである。同じ事が何度もバズるという事は通常起こらない。

「八冠が七冠になってしまった」などもバズるかもしれないが「八冠獲得した」ほどでは無いだろう。称賛のバズリを得るのは大変だ。努力をしなくてはならない。並大抵でない努力じゃないとバズらない。並大抵じゃない努力が認められてバズっているとも言えるだろう。

珍しい事象のバズり

他にもバズる方法はある。「珍しい事象」を取り上げるのである。これは努力は要らない。将棋や勉強を頑張る必要はない。「珍しい事象」にタイミングよく巡り合えば良い。運次第だ。珍しくて目を引くものであればバズる。しかし注意しなければならない問題がある。「珍しい事象」には健全な事象と不健全な事象があるということだ。

「健全な珍しい事象」とはどういう事だろう。例えば、出雲大社にきれいな虹がかかった瞬間を収めた写真などは健全で珍しい。虹はなかなか見られるものではないし、それが出雲大社で発生していれば、なにか神がかったものを感じさせる。写真を上手く撮影できればバズる可能性がある。

一方「不健全な珍しい事象」を例えるなら、飛び降り自殺の現場などが挙げられる。飛び降り自殺の現場も珍しい。めったに目にするものではない。その動画をSNSに投稿すればバズるかもしれない。しかし健全な事象とは呼べない。人が自分で死のうとしているのを撮影するというのは不健全な事象である。飛び降り自殺の現場の撮影は「不健全な珍しい事象」という事になるだろう。

不健全な事象

「不健全な珍しい事象」は安易にSNSに投稿するべきではない。仮にそれがバズったとしてもそれは不健全なバズリとなってしまう。健全なバズりには称賛が寄せられるが、不健全なバズリには批判が集まってしまう。即ち不健全なバズリとは「炎上状態」である。

「珍しい事象」に遭遇した時にはそれが健全なのか不健全なのかを冷静に判断する必要がある。交通事故の現場に偶然遭遇した場合は、最優先で行うべきは怪我人の救護であり写真の撮影では無いのである。これを誤って事故現場の写真投稿を優先してしまうと「炎上」という憂き目に合う可能性が高い。

バズりを得たい人はバズりに飢えている。即ち「珍しい事象」に飢えている。バズりを得たい人が「珍しい事象」に遭遇したときに、健全な事象なのか、不健全な事象なのかを見誤る事がある。不健全な珍しい事象をSNSに投稿して炎上の憂き目に会った事例を取り上げたい。

楽器の惨状を目にしたOさんの場合

カイロ交響楽団のチューバ奏者

カイロ交響楽団に日本語でツイートする方がおられる。岡島征輝さんという方である。この方のブログのプロフィールへのリンクを貼っておく。

すごい方である。エジプトのカイロ交響楽団でテューバの奏者をしているそうだ。テューバというのはおそらく我々が言うところのチューバだと思われる。

チューバ ヤマハ

ブログによると玉川大学文学部芸術学部芸術表現コースを卒業してドイツのニュルンベルク音楽大学に入り、同大学院を修了された。すごい経歴だ。そして現在はカイロ交響楽団でテューバ奏者である。すごいお仕事をされている。カイロ交響楽団との契約が雇用なのかなんなのか気になるところだが、門外漢のワタシには知る由もない。

Tweetが炎上

そんなすごい経歴ですごい仕事をしている方なのだが、バズには飢えているようだ。この方の投稿したツイートが炎上した。

楽器の上に荷物を置かれたことに岡島さんは憤慨したようだ。ツイートによると楽器運搬係に欠員が出てど素人の方を新たに楽器運搬係に採用したら、木琴の上に荷物を置かれてしまったとのことである。木琴の上にモノを置くと音が狂うとか害がありそうだなというのはワタシにも想像がつく。

木琴に車輪がついているのが見える。ひょっとしたら新しい楽器運搬係の方は木琴を台車代わりに使ったのかもしれない。

ちなみに岡島さんはテューバ奏者で木琴に関しては素人だそうだ。これを目にした岡島さんは憤慨した。朝から発狂しそうになったそうだ。そしてその惨状をスマホで撮影してTwitterに投稿したというわけである。

バズるチャンス到来

ここで性格の曲がったワタシは穿った見方をしてしまう。この「惨状」を目にした岡島さんは「憤慨」すると同時に「美味しい」と感じたのでは無いだろうか。いや「美味しい」という気持ちは「憤慨」に比べればとても小さいものかもしれない。1:99の比率かもしれない。しかしわずかに「美味しい」というときめいた気持ちがあったのでは無いかと想像してしまう。

「美味しい」というのは言わずもがな「バズるチャンス」を嗅ぎ取ったということである。「上に粗雑に荷物を置かれた可哀想な木琴」というのは「珍しい事象」である。しかも自分が起こした事象ではない。下手人は「ど素人の新人楽器運搬係」である。

批判が寄せられる

岡島さんはスマホを取り出して写真を撮影しTwitterに投稿した。岡島さんのこのツイートは果たしてバズった。しかし炎上状態になってしまった。寄せられた批判の一部を埋め込む。

憤慨したのに投稿する余裕

岡島さんは「憤慨」したと書いているので憤慨されたのだと思う。しかしほんの少し嬉しい気持ちもあったんじゃないのかと思ってしまう。憤慨した人間に写真を撮ってTwitterに投稿する余裕があるだろうか。

本当に憤慨した人は写真を撮る余裕など無い。楽器の状態を確かめるためにすぐさま荷物をどかすなり、荷物運搬係を呼びつけて怒鳴りつけるなりする。

楽器の上にモノを置いたのは、岡島さんの所属する組織が雇った楽器運搬係なのである。岡島さんは楽器運搬係が「ど素人」であると書いている。

楽器はデリケートであり、その上にモノをおいてはならないというのは常識かもしれない。しかし世の中には色々な人が居る。それがわからないど素人というのも存在するのだろう。ど素人を雇ったのであれば教育をするのがまた雇い側の責任でもある。その責任を果たさずにど素人の仕事を批判するのは「不健全」と捉えられても仕方がない。

見極めが足りなかった

今回岡島さんが投稿した事象は「不健全な珍しい事象」であり、炎上状態となってしまった。

常日頃から「バズり」を求めていたがために「珍しい事象」を前にしてそれが健全か不健全かを見極めぬままTwitterに投稿して炎上してしまったという事例が上の通りである。

カイロ交響楽団でテューバ奏者をしているという岡島さんの人生は、一般のサラリーマンなどよりも何倍も華やかな人生のように思う。苦労もあるだろうが、嬉しいことや楽しいことも一般人よりは数倍有るだろう。そんな岡島さんでも承認欲求があるのだ。抑えられない承認欲求が炎上を引き起こした結果となった。

今回の岡島さんに声を掛けるなら「現場を見て朝から発狂しそうになったんじゃなくて、本当は朝から嬉しくて興奮したんじゃないの?嬉しかったんでしょ?ホントのところ教えてください」となる。

砂浜に車を突っ込んだUさんの場合

砂浜で乗用車がハマる

別の事例を見てみよう。砂浜でスタックしてしまった乗用車の写真がバズっている。警察が立ち会いのもと、スタックした乗用車がランクルで救出されているようだ。投稿者は植木直敬さんという人だ。文章には植木さんの恥じらいが表現されている。今後同じ轍を踏む人が出ないようにとの思いを込めた投稿のようだ。

批判が寄せられる

この投稿も「珍しい事象」だ。果たしてバズった。バズったのは植木さんも嬉しかっただろう。しかし炎上してしまった。少なくない批判が寄せられた。

インスタ映えを狙っていた?

植木さんは舗装のない砂浜にわざわざ乗用車を入れた。砂浜に乗用車を入れた目的はひょっとしたらインスタ映えする写真を撮ろうと思ったのかもしれない。砂浜に乗用車を入れるという行為からはそういう下心を想像してしまう。

植木さんの乗用車が砂浜でインスタ映えしたかどうかは分からないが、その後砂にタイヤを取られ動かなくなってしまった。そこで警察やレッカー業者を呼んでいる。そこで写真を撮影してTwitterに投稿している。

「自戒を込めて」とは言っているが、警察やレッカーが作業する様子を見ながら「バズるチャンス到来」とも思ったのではないだろうか。「バズるためにわざとスタックさせたのでは」という疑いをもたれる可能性もある。

わざわざ砂浜に乗用車を入れてスタックするというのは「不健全な事象」になる。やはり不健全な事象はいくら自戒を込めても炎上してしまうという例だ。

今回の植木さんに声を掛けるなら「砂浜に車でインスタ映えを狙ったらスタックして警察呼んでTwitterでバズったから結果オーライって思ってるんじゃないの?憎いよこの『結果オーライ炎上野郎!』」となる。

喪服で自撮りをしたYさんの場合

YOSHIKI炎上

有名人も承認欲求を満たしに行って炎上することがある。X JAPANのYOSHIKIその人である。YOSHIKIなど有名人で普段からメディアやネットでチヤホヤされているのだから承認欲求は満たされまくっていそうなものだがそうでもないらしい。承認欲求は一度満たされても長続きしないものなのだ。食事を取って満腹になっても、時間が経つとまた腹が減る。食欲と承認欲求は同じようなものかもしれない。

報道に苦言を呈したら炎上

2023年10月にX JAPANのベーシストHEATH(ヒース)さんが亡くなった。このことは遺族の意向で公表していなかった。しかし遺族の意向に沿わない形で報道されてしまった。2023年11月8日にYOSHIKIがこのことについてTwitterで苦言を呈した。「HEATH死去報道に苦言Tweet」である。このなんでもないTweetが炎上してしまった。

YOSHIKIはHEATHが死去した報道が出たことに苦言を呈しているのだが、どうやらその報道が出た原因の一部がYOSHIKI自身にもあるようなのだ。

喪服自撮りカッケー

Tweetが炎上した11月8日から5日遡る11月3日にYOSHIKIはInstagramに一枚の写真を投稿した。「身内に不幸があったため急遽日本に帰国」のテキストと共に喪服を着た自撮り写真をInstagramに投稿した。

さすがyoshiki、喪服も似合う。むちゃくちゃ格好いいじゃないか。10万近くのいいねが付いている。

YOSHIKIにツッコミ多数

この投稿が不味かった。この「喪服自撮り投稿」をした5日後にYOSHIKIは「HEATH死去報道に苦言Tweet」をしているのだが、その「HEATH死去報道に苦言Tweet」に「いや、報道の原因はお前だろ」というツッコミが多数入っているのだ。一部を見てみる。

辛辣なツッコミが多数寄せられてしまった。今回のYOSHIKIの反省点としては、バンドメンバーの死去という「不健全な珍しい事象」に際して、自身の自撮りを匂わせという形で投稿してしまったことだろう。

YOSHIKIでもミスる

しかし、YOSHIKIみたいなイケてる有名人でもこんな初歩的なミスを犯してしまうとは意外である。

バンドメンバーの訃報を聞いたYOSHIKIはタンスの喪服に久しぶりに手を通して鏡を見たら「やっぱ俺カッケーな」と思ってしまったのかもしれない。

喪服などめったに着るものではない。YOSHIKIが喪服を着るというのは一種の事件のようなものだ。YOSHIKIは事件に巡り合ったのだ。そこで思わず格好いい自分の自撮りをしてしまったのかもしれない。

自撮りを確認したら思いの外格好良く撮れていたのでインスタグラムに投稿してしまったのかもしれない。「これだけ格好いい写真ならバズるやろうな~」などと承認欲求が頭をもたげたのかもしれない。

しかし結果的にはバンドメンバーの訃報に乗じて自撮りでバズを狙うという形になってしまった。そしてそれは炎上という結果を招いてしまった。承認欲求とは本当に恐ろしい。YOSHIKIのように世界に股をかけて成功している人にも炎上をもたらしてしまうのだ。

今回のYOSHIKIに声を掛けたい。「喪服を着た自分が格好良すぎて炎上した?今度スタジオアリスに行こう。プロがもっと格好いい写真を取ってくれるから。気が済むまでカッコいい写真を撮ってもらおう」と声を掛けたい。衣装も貸してくれるから。スタジオマリオでもいい。