お茶にコストや労力をかけるべきじゃないという話だ。
金銭的に余裕のある方は日本の経済を回すためにもこの記事は無視してペットボトルのお茶を買い続けてほしい。
水出しで労力とコストを削減
お茶は煮出す?買ってくる?
お茶に一定の固定概念を抱いている方が多いのではないだろうか。「お茶は煮出すもの」「お茶はペットボトルで買ってくるもの」等の固定概念である。
ティーバッグのお茶はコストは安いが、これを煮出して常温まで冷ますのに1時間はかかってしまう。手間暇の掛かる仕事だ。
かといってペットボトルのお茶を購入するのはどうだろう。2リットルペットボトルのお茶は100円位だ。毎日飲むお茶にこれを支出しなければならない。
水出しという選択肢
「お茶」には1時間の労力か、100円の支出を強いられてしまうという固定概念がある。だが待ってほしい。お茶には水出しという方法がある。
スーパーに行くと多くのお茶パックが並んでいる。
これらのティーバック製品の殆どは煮出しにも水出しにも対応している。
水出しをすることで、コストも手間もかけずに、しかも美味しいお茶を作れる。
水出し茶の作り方
実際に作ってみよう。
広口のペットボトル
ペットボトルを用意する。水出しに最適なペットボトルは広口という条件がある。広口ペットボトルの調達方法は後述する。写真は2リットルの広口ペットボトルだ。
水出しは水筒でもできるがあまりおすすめしない。水筒で水出しをすると、冷やすには氷を入れる必要がある。これは手間だ。ペットボトルで水出しすれば、そのまま冷蔵庫に入れて冷やすことができる。
ティーバッグ入のお茶
水出し可能なティーバッグ入りのお茶を用意する。
今回は玄米茶を作る。写真は激安スーパーDIOで購入した「のむらの茶園」の玄米茶だ。
聞いたことの無い謎のメーカーだが、筆者は長年これを愛用している。価格が安いことが大きな理由だが、その上旨い。
30パック入りで税込み192円である。1パックあたり税込み6.4円だ。
「のむらの茶園」と言われてもピンとこない方も多いと思う。私もピンと来ない。ウェブで調べると茨城のお茶屋さんのようだ。
ちゃんとホームページも存在するので、無駄なCMを削って良質な商品を廉価で販売している良心的なメーカーだと勝手に捉えたい。
お茶を投入
ペットボトルにお茶のティーバッグを入れる。
広口のペットボトルなので楽に入れることができる。
普通のペットボトルでも入らないことは無いのだが、丸めて押し込む等の工夫が必要になってくる。
これに水を注ぐ。
水道水を注入
水道水は旨い
このときのポイントは「水道水」を注ぐことだ。「水道水」に無用な恐怖心を抱いている人は多いが、日本の水道水は飲める。特に筆者の暮らす岡山市の水道水は旨い。
筆者は一応浄水器を通しているが、浄水器のフィルターは推奨期間が4ヶ月のところ、1年は使うようにしている。
浄水器の役目を果たしているかどうかは分からないが、気は心だ。その理由もある。
蛇口タイプの浄水器を使用
そのような考えに至った経緯を書く。
現在使用している浄水器は自宅の新築時に取り付けたものだ。水道の出口付近にフィルターを設置するタイプのものだ。
家の引き渡しの際に予備のフィルターを渡されていた。フィルターの使用期限は4ヶ月となっていた。筆者と妻は「浄水器を通した水は美味しいね」と言いながら、浄水器の水に氷を入れて美味しく飲んでいた。
フィルターの使用期限である4ヶ月を過ぎてもフィルター交換をすること無く浄水器を使い続けた。「4ヶ月の使用期限は利用状況により異なります」という一言があったので、それを拡大解釈したのだ。
標準使用期限の3倍に当たる1年後にようやくフィルターを交換することにした。
フィルターが付いていなかった
浄水器のフィルター部分を分解して驚いた。フィルターが付いていなかったのだ。
引き渡し時に予備だと思っていたフィルターは、最初に取り付けるべきものだったのだ。
それまで水道水を飲む習慣のなかった私や妻も、1年間素のままの水道水を飲み続けていたのだ。
浄水器の水は美味しいというのはまさにプラシーボ効果だったわけである。人間の感覚はいい加減だ。
そんな経験を経て、水道水を飲む事の合理性にたどり着いた。
旨いお茶の出来上がり
冷蔵庫で冷やす
広口のペットボトルにお茶のティーバッグを入れてそこに水道水を注ぐ。
これだけでお茶の仕込みは終わりだ。時間にして1分もかからないだろう。水を入れた直後からお茶の成分が抽出されて色が付き始める。これを冷蔵庫で冷やす。
水出しというと時間がかかりそうなイメージがあるが、筆者の使う玄米茶は抹茶が配合されているからか、水を注いだ直後に飲んでも、お茶の味を感じられる。
抽出時間は1時間から2時間
メーカー推奨の水出し時間は1時間から2時間である。冷蔵庫で冷えたら完成である。
水を入れた直後は泥水のように見えたかもしれないが、冷蔵庫で冷やしたペットボトルを取り出すと、表面が結露して何故か少し美味しそうに見えるから不思議だ。
冷えたお茶は旨い
冷えた玄米茶は見た目だけでなく、味の方も実際美味しい。夏にがぶ飲みするには最高である。コップに移さずともワイルドな人はペットボトルからそのまま飲めば良い。筆者はそうしている。
ティーバッグを取り出す必要なし
メーカーの注意書きには「お好みの味になりましたらティーバッグを取り出してください」「長時間冷やす場合には必ずティーバッグを取り出してください」とあるが、筆者は無視している。
長時間ティーバッグを放置しても味の変化は感じない。イメージ的には長時間ティーバッグを入れたままだと「雑味」や「エグ味」などが出てしまいそうだが、そんなことはない。長時間漬けられてもティーバッグにそこまでの力はなさそうだ。12時間位ティーバッグを入れたままでも特に問題はない。
ティーバッグを入れっぱなしにすることが気になる方は箸等を使えば取り出せると思うが、その作業中にティーバッグを破いてしまうリスクがあるので気をつけてほしい。
筆者は取り出す際に何度かティーバッグを破いてしまった。ティーバッグが破けると中身がお茶の中に放出されてしまい、飲める状態ではなくなる。飲むためにはお茶漉しで漉す必要があるだろう。
筆者は何度か失敗をした後にティーバッグは飲み終わるまで放置すれば良いという結論を得た。
水出しのほうが美味しい
筆者としては、お茶は煮出しよりも水出しのほうが美味しいと感じている。これまで緑茶、玄米茶、麦茶、ウーロン茶を試したが、どれも水出しのほうが美味しい。
お茶の繊細な香りが抽出されている。安物のお茶なのにだ。煮出した場合は熱で発散してしまう香りかもしれない。しかもお茶の甘味を強く感じられるようになる。
水出しの場合の方がお茶の香りが感じられなおかつお茶の甘味も味わえるのだ。
後片付けは簡単
飲み終わったあとの処理も簡単だ。広口ペットボトルなので、逆さまにして揺すればティーバッグを取り出すことができる。
ペットボトルをゆすいで片付けは終了だ。たまにペットボトルを漂白してやれば良い。
広口ペットボトルを手に入れる
普通のペットボトルでは口が狭い
広口ペットボトルの調達方法を紹介しよう。
先述したが普通のペットボトルではティーバッグの水出しは難しい。注ぎ口が狭いため、ティーバッグを投入するにも工夫が必要となり、飲み終わったあとのティーバッグが取り出せなくなるのだ。
取り出すために箸等でティーバッグを破裂させれば取り出せないことは無いが、毎回そんなことはできない。
ペットボトルを利用するティーバッグの水出しには、広口ペットボトルが必要なのである。
伊藤園の取っ手付きボトル
以前はコンビニや量販店で最適な広口ペットボトル容器が手に入っていた。「伊藤園 おーいお茶 2L取っ手付きペットボトル」である。
このペットボトルは普通のものよりも口が広く作られているので、ティーバッグの水出しに最適だった。ところが数年前に終売になってしまい、手に入らなくなったのである。
焼酎のペットボトルを買うべきか
これは筆者にとってショックだった。代替品として焼酎のペットボトルの購入を検討したが、筆者は焼酎を飲まないので中身を捨てるのは少し忍びない気がした。
このビッグマンストロング2リットルなどペットボトルとしては最適なのだが、価格も二千円を超えるのでペットボトルの価格としては少し高く感じる。
最適なボトルを発見
おーいお茶広口ペットボトルの終売で困っていたが、やがて最適なペットボトルを発見した。
スーパーの給水サービスの専用ペットボトルである。筆者は地元のスーパー「マルナカ」の給水サービスコーナーでそのペットボトルを発見した。
スーパーの給水器は専用ペットボトルを購入するように案内表示がある。そのペットボトルがお茶の水出しに最適な広口ペットボトルだったのである。
2リットルの広口ペットボトルが税込み403円だった。このペットボトルがお茶の水出しに最適な広口ペットボトルだ。
筆者はこれを使い始めて3年以上経つが、まだまだ使えそうだ。
スーパーの給水は使っていない
ちなみにスーパーの給水サービスには興味が無い。水道水を濾過処理した水を無料でもらえるものが多いが、家に帰れば水道水が出るのだから特に必要性を感じていないためだ。
給水サービス専用のペットボトルを購入はしたが、給水サービスは一回も利用したことが無い。
費用の比較
緑茶の場合
最後にこういう記事では定番の費用比較を行ってみよう。
アマゾンで2リットルペットボトルのお茶を購入する場合との比較をしてみたい。
アマゾンのキリン生茶2リットルはケース購入だと一本当たり税込み147円である。
一方の自作水出し茶を計算してみる。
のむらの茶園の緑茶ティーバッグは、30パック入りで税込み192円である。1パックあたり6.4円となる。
メーカー推奨の使用量は水500mlに対してティーバッグ1パックとなっている。筆者もこの分量で使用している。つまり2リットルだと4パックとなる。
1パック6.4円のティーバッグを2リットルに対して4パック使用するので、6.4円×4パック=25.6円である。水道代やペットボトルの減価償却費を考えなければ、2リットルのお茶が25.6円で用意できるのである。
Amazonの147円に対して自作は25.6円だ。差額が121.4円となる。毎日飲むお茶としては大きな差と言えるのでは無いだろうか。
麦茶の場合
麦茶でも同じ比較をしてみたい。ペットボトル麦茶代表として、トップバリュの麦茶を持ってきた。
2リットル税込み97円である。普通に自販機で買う500ミリリットルの飲料より安い。さすがトップバリュである。
一方、水出し代表は伊藤園の香り香る麦茶を持ってきた。
54パック入りで税込み169円とかなりの安さを感じる。1パックあたり約3.13円だ。しかも抽出のための使用量を見て更に驚いた。
水出しの場合、水1リットルに対して1パックなのだ。2リットルの水出し麦茶を作るなら2パックしか使用しない。コストとしては2リットルで6.26円しかかからない。恐ろしいコスパだ。伊藤園すごい。
2リットルの麦茶を水出しするには6.26円×2=12.52円である。
トップバリュペットボトル麦茶の97円に対して自作は6.26円だ。またしても大きな差額が出ることになった。
麦茶は特に水出しをすると甘みが感じられる。確実に煮出しよりも旨い。
麦茶の注意書きにも長時間の水出しは苦味が出る可能性が書かれているが、長時間ティーバッグを入れっぱなしにしても特に苦味等は感じたことは無い。
お茶を買うなんて考えられなかった子供の頃
1975年生まれの筆者だが、思い返せば子供の頃にお茶を買うなどということはなかった。
子供の頃にお茶を買うというと、思い出すのは新幹線の中等で飲んだプラスチック容器入りのお茶だ。
駅弁に無料で付いていたのか、別途購入していたのかはよくわからないが、プラスチックの匂いがしてまずかった覚えがある。
伊藤園の「おーいお茶」が発売されたのが、1989年だそうだ。筆者が中学生くらいだろう。その頃はお茶といえば、家のヤカンで作られるか、家の急須で入れられる、タダ同然のものという認識だった。
お金を出して缶入りのお茶を買うなんてもったいないという感覚だった。お茶なんて甘くないし、家でいつでも飲めるしと思っていた。同じお金を出すならコーラやファンタ等の甘くて炭酸の入ったものが良かった。
いつの間にか、ペットボトルのお茶を買うという行為が普通の事になってしまった。慣れとは恐ろしい。もともとタダ同然のものにお金を払っているのだ。
このエントリーがまさにそうだが、「お茶は自分で作るとタダ同然だった!」のように、自分でお茶を淹れるという行為がライフハックのように感じられるというのも面白いものだ。