玄米を保存するために布団圧縮袋を利用した。
米袋が圧縮袋の中でカッチカチになっているのが写真で伝わるだろうか。カッチカチになっているのだ。中央に見える白いものはカイロである。
インターネットで得た情報によると、この方法なら1年程度味を落とさずに保存できる。嘘か本当かはわからないが、お金がかからない方法だったので試してみた次第である。
布団圧縮袋による米保存法を共有したい。
60cm×80cmの布団圧縮袋を買え
米の圧縮保存のために用意するものは2つだけである。布団圧縮袋と使い捨てカイロだ。写真の米袋は玄米30kgである。布団圧縮袋のサイズだが、30kgの米袋を保存するなら60cm×80cmがジャストサイズだ。私はこれ↓をポチった。
30kgの米は重い。布団圧縮袋に入れるだけでも一苦労である。コツが有る。まず米袋を逆さまに立たせる。そこに布団圧縮袋を被せる。↓こういう具合だ。
そして横に寝かせれば、↓このような状態になる。保管の際は布団圧縮袋の弁を上にすることになるので米袋のラベル面と弁を揃えておくと具合が良い。
この時米袋の中の米がなるべく平らになるように均す。そうすると重ねてしの保管がしやすい。中央が盛り上がっているので、それを両側に持っていくように均す。
使い捨てカイロを投入する。使い捨てカイロを入れる目的は酸素を除去することだ。食品用の脱酸素剤を持っている方はそれを入れれば良い。使い捨てカイロを入れてもほとんど発熱はしない。発熱するには酸素が必要なのだが、布団圧縮袋内の空気を吸引してしまうので発熱できないのだ。
使い捨てカイロも脱酸素剤も主な原料は鉄粉である。どちらも鉄粉が酸素と結びついて酸化し熱を発する。カイロも脱酸素剤も科学的には全く同じ反応が起きている。
カイロが圧縮袋内の酸素を除去してくれるし、食品用の脱酸素剤も手に握っていれば暖かくなる。
圧縮袋内の空気を吸い出す。ワタシは掃除機を使ったが注意してほしい点がある。これは後述する。
掃除機で吸引する。ルンバではこういう芸当はできないだろう。ダイソンはどうだろうか。昔ながらの掃除機は吸引力が強い。カッチカチになった。
今回はこの圧縮作業を米袋4つに施してクローゼットの奥に積み重ねた。米を平たく均しておくと積み重ねやすい。
米を買ったのはいいけどどうやって保存するんだ問題
2023年の米の不作やインバウンドによる米需要の増加で、2024年には令和の米騒動といわれる米の品薄がおきた。
2024年8月8日には、宮崎県の日向灘を震源とする大地震があり、気象庁が「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」を発表した。これも影響して一時期はスーパーの棚から米が消えるという事態が発生していた。
2024年の新米を農家さんから直接買わないか?と知人が持ちかけてきた。令和の米騒動を見ていた私は思わずそれに乗っかり、30kg×4袋を購入してしまった。
農家としては素人に大量に売りたくないそうだ。米を家庭で長期間保管していると品質が低下するからだ。米の保管のための低温保管庫というものがある。
玄米を保管するのに適した温度は12℃程度とされている。玄米保管庫はそのベストな温度を保つ玄米用の冷蔵庫だ。玄米保管庫は大きくて高い。普通の家庭には設置することは難しい。
ワタシは5人家族同居だが、120kgの米を消費するには半年以上は掛かる。その期間玄米の味をなるべく落とさずに保管したい。
しかしとてもじゃないが保冷庫の導入は無理である。そこで布団圧縮袋による保管方法にたどり着いた。
籾米→玄米→白米
今回ワタシが購入したのは玄米である。玄米は白米よりも茶色い色をしている。米の表面が糠で覆われている。
玄米を精米機にかけると白米になる。精米した白米は美味しく食べられる期限が短い。精米から1ヶ月を目安に食べきったほうが良いという説もある。白米は劣化しやすいのだ。
おいしさの目安の一つは1カ月
お米は季節の影響を受けるため、夏は高温多湿でお米が劣化しやすく、虫やカビが発生する可能性があります。また冬は、お米も乾燥の影響を受けやすく、水分が抜けておいしさが失われてしまうことも。通常、お米はkg単位で購入するため、数か月分ストックしておき、すぐに使わないお米は未開封のまま保存していることも多いですが、未開封のお米も開封後のお米同様に徐々に劣化しているのです。
ごはん彩々
お米は開封・未開封に関わらず、精米後は徐々に劣化していくので、特別な保存をしなければ、精米年月日から1カ月程度を目安に食べ切るようにすると良いでしょう。
玄米の方が長持ちする。玄米は糠で覆われているため、白米部分が空気に触れないからだ。参考にしたサイトによると1年程度持つとのことだった。
精米前と後、どっちが長持ちする?
精米前のお米は、精米した後のお米よりも1年程度長持ちするといわれています。そのため、大量に購入して保存する必要がある場合は、精米前のお米の方がいいでしょう。
精米前の方が長持ちするのはどうして?
お米は精米すると、中身の白米部分が直接空気に触れてしまいます。お米は空気に触れるほど酸化してしまうので、最も空気に触れる面積が大きい白米が一番早く劣化してしまいます。
ごはん彩々
つまり、同じ条件で保管していた場合、精米前のお米(玄米)の方が長持ちするというわけです。
玄米よりも更に米を長持ちさせる方法がある。籾(もみ)で保存する方法である。稲刈りをして、稲わらと分離したものが籾である。
籾は玄米の表面をもみ殻が覆った状態だ。籾の状態だと、玄米よりも更に米を美味しいままで長持ちさせることができる。美味しさのために出荷の直前まで籾の状態で保管する業者もある。
籾で保存していると、外の環境から守られる!
籾は、生きた種と同じ。種は、芽が出て育つのにちょうどよい環境(水や光など)が揃うまで、腐ったり虫に食べられることなく、土の中で待機しておけるようになっています。固い殻で覆われ、守られている状態です。
そのため、乾燥や寒さや暑さなどの環境の影響を受けにくいのです。
田中農場日誌
また、コクゾウムシなどの虫や、カビの害が起こりにくいというメリットもあります。
何より、米が生きているので、籾摺り・精米したお米は新米に近い食味が保たれています。
籾での保管は美味しさを保つというメリットがあるが、デメリットも有る。重量とかさが増すのだ。籾を玄米にすると重量が80%になる。籾から殻が20%出るのだ。
さらに籾を玄米にするには「籾すり」という作業が必要だ。籾摺り機というものがある。籾摺り機は巨大だ。
世の中には「もみすりコイン精米機」というのも存在するが、今まで実物を見たことがない。自宅の周りにコイン精米機は何箇所か見かけるが、コイン籾摺機はない。
一般の家庭では籾米を保存することは少ないためにコイン籾摺機の需要も薄いのだと思われる。
年貢は玄米で納めていた
江戸時代やそれ以前の日本は米本位性経済だった。税金を米で納めていた。年貢米というものだ。
年貢は籾米や白米ではなく玄米で収められていた。自動車のない時代は米の輸送に時間がかかる。白米だと輸送中に品質が低下してしまう。
年貢は玄米で納入することが基本でした。年貢に限らず、江戸時代の「米」という言葉は玄米を指します。庶民が領主に年貢として納める米も、庶民が商品として出荷する米も、脱穀して籾摺り(もみすり)をした玄米の状態の米だったのです。
保存性という点では玄米より籾が優れているが、品質のチェックが容易という特徴がある。年貢米は量だけでなく品質も一定の基準が求められた。
飢饉に籾米を備えていた
年貢は玄米で納められていたが、籾米の保存という事も行われていた。備籾制という制度である。籾米の保存性の高さを利用して、凶作の飢饉対策の一つとして米を籾の状態で備蓄していた。
籾米を備蓄した倉庫を御籾蔵(おもみぐら)と呼ぶ。
江戸時代の地図にも御籾蔵が記載されている。火災に備える必要や、水運の便のために川の側に建てられた。
圧縮が楽しすぎる件
先述した掃除機を圧縮目的で使う場合の注意点だが、圧縮のための吸引が掃除機の故障の原因になる可能性がある。
布団圧縮袋での圧縮という行為は無茶苦茶楽しい。米の圧縮ではビジュアルの変化は大したことは無いのだが、布団や衣類といったものを圧縮すると圧縮されていく様が楽しすぎる。
布団や衣類を圧縮すると体積が1/4位になってカッチカチになる。楽しすぎていろいろなもので試したくなる。
小型の寝袋を圧縮した時など非常に楽しかった。
↑この寝袋を布団圧縮袋に詰める。80cm×60cmの圧縮袋に5個入った。
↑こうなる。
↑横から見るとこうである。厚みがある。これを圧縮する。
↑こうなる。カッチカチである。楽しい。
保管の場所が1/3くらいになる。長期間圧縮したままだと綿がヘタってしまうおそれはある。
何度も言うが圧縮袋の吸引は掃除機の故障の原因になる可能性がある。あまり調子に乗って遊ばないほうが良い。
布団圧縮袋専用の電動吸引機というものもある。布団圧縮袋の楽しさにハマった方はこれを検討するのもありだろう。冬物の保管等には圧縮袋は活躍しそうだ。
布団圧縮袋専用の電動吸引機というものもある。布団圧縮袋の楽しさにハマった方はこれを検討するのもありだろう。冬物の保管等には圧縮袋は活躍しそうだ。