【エコめがね】10万円を節約しようと思ったら300万払えと言われたでござる の巻【太陽光発電】

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「10万円損害が出る可能性」というリスクに対応しようとしたら、提示された見積もりが「130万」だった。それどころか「300万払え」と言われた。何を言っているのか分からないかもしれないが、ワタシも何がなんだかわからずに混乱している。

10年間の監視サービス

自宅で利用しているエコめがねという発電監視サービスの10年間契約の終了が1年後に迫っている。エコめがねは太陽光発電が正常に行われているかを監視するサービスだ。

エコめがね公式

2014年秋に自宅を新築した。新築の際に屋根に10.4kWの太陽光パネルを設置し売電を行っている。月に4万円~5万円の売電収入になる。20年間の固定買取なので2034年まで同じ単価で買い取ってもらえる事になっている。

エコめがねはリアルタイムの発電量を把握したり、一定期間の売電量を表示したりできるのだが、一番重要なのは太陽光発電に異常が発生した時にメールで知らせてくれるサービスだ。

発電システムに異常が生じて売電が止まってしまえば売電収入が減少してしまう。一刻も早く異常を察知することは重要だ。

今年に入ってエコめがねがら頻繁にメールが届くようになった。太陽光発電の異常を知らせるメールではない。10年間の契約満了が近づいていることを知らせるメールだ。

エコめがねは10年契約のサービスだ。ワタシが10年前に契約したサービスの更新時期が来たということだ。更新するには費用が必要だ。エコめがねの更新費用に定価というのは存在しないが、ネットで調べると向こう10年間の利用料を含めて30万円くらいかかるという情報があった。この情報通りなら1年当たりに換算すると3万円、月あたり2,500円といったところだ。

参考までですが、発電所のパワコンがオムロン製なら30万円ほどです。10年間分ですので、年間では3万円の出費となります。
※導入するエコめがねの機種や取扱店により異なります。

タイナビ発電所 低圧太陽光の遠隔監視といえば「エコめがね」! 最安価格とメリット解説

更新と書いたが、正確には新規契約だ。今まで使っていたサービスの延長は可能なのだが、機器が故障すると代替品がない。新規契約で類似のサービスなら10年間の契約が可能になる。

なぜ太陽光発電に監視が必要か

エコめがねなどの監視システムは売電に必須のものではない。エコめがねのような監視システムがなくても太陽光発電による売電はできる。監視システムは発電システムの不具合をいち早く察知するために役立つ。

発電システムが止まると売電が止まってしまう。売電が止まったからと言って、電力会社から連絡が来ることはない。監視システムがない場合はワタシは太陽光発電の不具合に気づけない可能性がある。売電から約2ヶ月後に振り込まれる売電料金を確認したときに金額が極端に少ないことで初めて不具合に気づくということがあり得る。

監視システムを設置していれば売電量が極端に低下した時点でEメールやアプリによる通知が行われてそれを察知することができる。不具合をほぼリアルタイムで察知することができるのだ。

1ヶ月の売電金額は平均すると4万円くらいである。売電から2ヶ月遅れくらいで電力会社から振り込まれる。振込されるまで異常に気づかなかった場合は2ヶ月位システムがダウンしたままになる可能性がある。

そこから業者さんを手配して修理に1ヶ月を要すれば3ヶ月位は売電ができないという事態が発生するかもしれない。発電システムの不具合に気づけずに2ヶ月放置してしまえば約12万円の売電収入を不意にしてしまうという事になる。

発電システムに不具合が発生してエコめがねがすぐに知らせてくれれば、すぐに修理業者を手配することができて、売電収入のロスを最小限に抑えることができるということだ。

雑に計算すれば12万円(3ヶ月分)のロスが4万円(1ヶ月分)に抑えられるという数字が出る。8万円の違いである。

監視が無いのは気分が良くない

8万円のロスを抑えるために30万円のエコめがねを設置するのは不合理に思える。しかしこれは理屈ではない。「売電が止まってもすぐには気付けない。銀行振込が少ないのを見て初めて気づく」「いつの間にか売電が止まっていた、いつからかは分からない」というのは気分が良くない。

「太陽光発電事業」を行う責任者として「システムが正常に動いている」「不具合が生じている」というのをリアルタイムで把握することに意味がある。そのためなら10年30万円、月あたりに換算して2,500円の出費は高くないように思える。

ワタシは8万円のロスを抑えるために30万円のエコめがねを更新することを決意した。数社で更新の見積もりを取って一番安いところに頼めば30万円位で向こう10年間のエコめがねが契約できるだろうと考えていた。ところがエコめがねの更新はワタシが考えるほど簡単ではなかった。このあとワタシは地獄の片鱗を垣間見ることになる。

知り合いの業者に頼もう→だめでした

とある業者と付き合いがある。その業者はワタシの事をどう思っているか分からないが、ワタシはお付き合いしているつもりだ。その業者にアパートの入居者向け無料インターネットの導入管理でお世話になっているのだ。その業者にはインターネットの使用・管理料を10年以上に渡って毎月お支払いしている。10年以上のお付き合いといえるのではないだろうか。

その業者はインターネット専門というわけではない。その業者のWEBページを除いてみると太陽光発電の設置も盛んに行っているようだ。その業者のWEBページの画像を下に貼るので見て欲しい。

頼もしいじゃないか!太陽光発電事業に強そうな雰囲気がプンプンと伝わってくる。

エコめがねの更新設置の業者を探す手間が省けたと感じた。これだけ太陽光パネルの設置をしている業者なら監視システムの更新など朝飯前だろう。

ワタシは妄想した。ひょっとして相談したら「いしはらさん、長いお付き合いなんで今回はタダでやってあげますよ」なんて言われたらどうしよう「いやいやそういう訳にはいかない、これはビジネスでお願いしているんだから、きちんとお金を取ってくれたまえ」「そうですか、それならいしはらさんだけの特別価格でやってあげますよ→10万円」「いいのかい?なんか悪いねぇ」「全然悪くないですよ、今後もお願いしますね」というストーリーが頭に浮かぶ。

早速その業者に電話してみた。「エコめがねの更新をお願いしたいんですけど」「エコめがね?ああ、、、エコめがねねぇ、、、見積もりが要るんですか?出来るかなぁ、、、ちょっと調べないとわからないなぁ、、、」歯切れの悪い返事だ。

「あ、エコめがねとかあんまりやらない感じですか?」「そうっすねー、ウチはエコめがねはちょっとあんまり」「あ、そうですか、じゃぁ大丈夫です、今後もよろしくお願いします、、、」「はいー(ガチャ切り)」

なんということだろう。10万円で更新してくれるというのは妄想で終わってしまった。流石に考えが甘すぎたようだ。

エコめがね公式から業者を探す

気を取り直して改めてエコめがねの更新を頼む業者を探すことにした。エコめがねの公式ページから取扱店が検索できるようになっている。

設置する都道府県に岡山県を選択し、産業用エコめがねにチェックを入れる。ワタシが設置している太陽光発電パネルは10.4kwのため、住宅用ではなく産業用に該当するのだ。

「21店舗見つかりました。」と表示された。素晴らしい。

自宅に近い業者がいるじゃないか

自宅に近い業者も表示された。自宅に一番近い業者に電話をすることにした。近いほうが何かと良いような気がしたのだ。電話する前に妄想する。「エコめがねの設置をお願いします、設置場所の自宅が〇〇です」「弊社からすぐ近くですね、近いから交通費もかからないし安くしてあげますよ!」「本当ですか、なんかすみません」「いしはらさん、ご近所なんで今後ともよろしくお願いします」「こちらこそ」という良い妄想だ。早速電話しよう。

「エコめがねの設置をおねがいしたいんですけど、、、」「ああ、エコめがねね、とりあえずかけ直すんで電話番号教えて下さい」「はい、080-〇〇〇〇-〇〇〇〇です」「はいはい、また電話します」「よろしくお願いします」雑な対応だった。この時点で嫌な予感がした。

嫌な予感は的中した。待てども暮らせども電話がかかってこない。その会社は自宅から近いのでワタシは前をよく通る。その会社の前を通るたびに電話がかかってこないことを思い出して心がシクシク痛む。

1ヶ月経過した時点で待つことをやめた。電話がかかってこないのはショックだった。「多分いい加減な会社なんだろう、そんなところに頼んだらどんな工事をされるか分からない、却って良かったというものだ」と自分を慰める。

見積もりお断りのメールを受け取る

気を取り直して、他の業者に連絡してみることにする。電話待ちというのはとても辛いということがわかったので今度はメールをしてみることにした。メールで連絡すれば、そのまま住所などをやり取りしてPDFで見積書を送ってもらえるだろう。電話の対応よりもメール対応のほうが先方も楽だろう。最終的には「デジタル見積もり割引」とかしてもらえるかもしれない。なかなかいい考えではないか。

早速エコめがね公式ページに記載されている業者(先程の電話をかけてこない業者とは違う業者)のホームページのメールフォームから自分の情報を入力する。

メールフォームには自分の情報だけでなく、使用中のパワーコンディショナーの型番なども詳しく入れた。ここまでやっておけば気持ちよく見積もりを出してくれるだろう。数日後メールで返事が来た。お断りの返事だった。

正直言ってショックだった。女性に振られるのと同じくらいかそれ以上にショックを受けた。当然見積もりを出してくれるだろうと思っていたからだ。エコめがね公式サイトに記載された業者なのに断って来るとかあるのか。

エコめがね公式は全く対応してくれない

ここまで来て流石のワタシも薄々感づいて来ることがあった。「業者はエコめがねの設置をやりたくないんじゃないのか?」どうしたら分からないワタシはエコめがね公式に、業者にエコめがね取り付けを断られる旨をメールで相談してみた。

石原と申します

契約10年の更新を迎えるにあたり以前そちらにご相談したところ、全量パックRSへの買い替えをご提案いただきました

そこでエコめがねのホームページに記載されている取扱業社に数社連絡したのですが、どこにも断られてしまいました

理由として「新規は受けてない」とか音信不通になったりとかです
業者さんからはエコめがねの取付をあまりやりたくないという雰囲気が伝わってきました

どうすれば良いですか?

エコめがね公式に送ったメール

帰ってきた返事はなんの役にも立たないものだった。

エコめがね取扱店検索への掲載会社様へお問い合わせをしてくださったにも関わらず、「新規買い替え」でのお申し込みをお断りされてしまわれたとのことで、大変なご心労をおかけしておりますことを、お詫び申し上げます。

弊社は卸の立場(メーカーの立場)であることから、特定の販売会社様のご紹介は行っておりませんため、引き続き、パワコンの停止を検知されたい場合は、大変お手数ではございますが、「新規買い替え」でお申し込みを引き受けてくださる販売会社様をお探しいただきたく存じます。

エコめがね お客さまサポートセンター から帰ってきたメール

自分で探せということだ。公式に掲載されている業者に断られているのに自分で探せとは酷いことを言うではないか。しかしワタシには最後の手が残されていた。

ハウスメーカーに依頼する

ハウスメーカーに頼めばいいじゃないか。ワタシの太陽光発電システムは自宅の新築時に設置したものだ。自宅はハウスメーカーで建てたのだが、太陽光発電システムもハウスメーカーが設置した。ワタシは施主なのだ。

最初からハウスメーカーに頼めば良さそうなものだが、ワタシの印象としてハウスメーカーに頼むとハウスメーカーは専門業者に横流ししてリベートだけを乗せてくる気がしたのだ。それならばハウスメーカーを飛び越えて専門業者に直接頼めば安くなると考えたのだ。その結果が上に紹介したように連戦連敗である。

多少高くても仕方がない。ハウスメーカーは流石に施主の依頼を断ることは無いだろう。元はと言えばエコめがね自体がハウスメーカーに勧められるがままに設置したものなのだ。そのエコめがねが更新時期なのだからハウスメーカーに断る道理は無い。むしろハウスメーカーから「エコめがねの更新時期ですよ」と案内が来てもいいくらいなのだ。

上で紹介したがエコめがねの10年利用料を含む価格は30万円程度とあった。ワタシは予想した。ハウスメーカーに見積もりを依頼したらリベートを10万円位乗せて見積もりとしては40万円位で出してきそうだ。最初の予定より高くなってしまうが仕方がない。ハウスメーカーも営利企業なのだから利益を取ることを否定するべきではない。早速ハウスメーカーにメールでエコめがね更新の見積もりを依頼した。

衝撃の見積書

1ヶ月弱でメールが帰ってきた。断りのメールではない。添付欄に見積書が添付されていた。さすがハウスメーカーだ。さすが施主だ。断られることはなかった。安心したのもつかの間だった。ワタシは衝撃を受けることになる。見積額が想定の4倍の130万円だったのだ。

ワタシはよだれを垂らしながらガクガクと膝から崩れ落ちた。太陽光発電システムが正常に動いていることを見守りたいだけなのだ。システムがいつの間にか止まって10万円ほどのロスが出るのを防ぎたいだけなのだ。なのに130万円払えと言われて嗚咽が止まらなくなってしまった。

メールの本文を読むと「エコめがねの取り付けにはパワーコンディショナーの交換が必要です」との記載があった。

パワーコンディショナーというのは売電に必要な装置だ。パネルで発生した電気をパワーコンディショナーでええ感じにして売電される。パワーコンディショナーには寿命がある。10年から15年と言われている。

だがワタシのパワーコンディショナーは今のところ壊れていないのだ。これが壊れて売電できなくなる事態を的確に察知したいからエコめがねを取り付けたいのだ。なのにまだ壊れていないパワーコンディショナーを取り替えろとはどういうことなのか。

ちなみにパワーコンディショナーの交換相場は1台20万円位である。ワタシの家には2台取り付けてあるので40万位かかる。今回の見積もりにもパワーコンディショナーの交換が入っているためこんな金額になった。

「ハウスメーカーが利益を乗せてくる」というワタシの予想は正しかった。40万円が相場のパワコン交換の見積もりは544,000円で来ている。

ワタシはガタガタ震えながら担当者に電話した。「パワーコンディショナーは壊れていないのに交換しなきゃだめですか?」「そっすねー、いしはらさんのパワコンは古いから今のエコめがねは付かないんスわ、いしはらさんのパワーコンディショナーもうすぐ10年だし、どのみちもうすぐ壊れますわ!」

ハウスメーカー担当者の嘘

ハウスメーカーの担当者は曰う。ワタシの所有するパワーコンディショナーに現行のエコめがねが接続できないと。これは嘘であるとワタシは即座に判断した。なぜなら直前にエコめがね公式とのメールでワタシのパワーコンディショナーとエコめがねが接続できることを確認しているからだ。

販売会社様経由での「新規買い替え」で『モバイルパックRS』の申し込みをお勧めいたします。

また、石原様が「エコめがね」にて、ご登録くださっていおりますパワコンメーカーを確認いたしましたところ、
オムロン製とのことでございましたため、
現在も引き続き、オムロン製パワコンをご使用中ということであれば、
『モバイルパックRS』に対応可能でございます。

エコめがね公式からのメール

ワタシは担当者に「それは嘘だろう!」という追求はしなかった。その代わりにワタシは聞いてみた。「すみません、エコめがねの更新をどこに頼んでもいい返事をもらえないんですけど、エコめがねの更新は面倒くさい感じですか?」「いやー、面倒くさいとは言いませんけどぶっちゃけエコめがねの接続は手間がかかるからあまりやりたくないんですよねー」

正直な担当者だ。「面倒くさい」と「手間がかかる」は同義語だと思うんだがそれも突っ込まなかった。要するにエコめがねの更新をしても手間がかかるだけで大した儲けは出ないからやりたくないのだ。エコめがねの更新だけでなく同時にパワーコンディショナーの交換までやればなんとか利益が出るということなのだろう。

300万払えと言われた

ワタシは素直に相談した。「120万なんて出せません、どうしたらいいですか(半泣き)」

担当者は驚きの提案をしてくる。「いしはらさん、パワーコンディショナーを交換するついでに蓄電池も付けたら良いですよ、ぶっちゃけトータルで300万位かかるんですけど大丈夫ですわ!住宅ローンの借り換えをしてそこに300万乗せてしまえば良いんスよ!電気代が上がってきてるから売電するより蓄電して自分で使ったほうが得になるんスよ!」

300万ときた。意識が遠のく。ワタシは10万ほど節約したいなと思って相談しているのに、300万掛けろと言ってくる。ワタシのように見るからに金のなさそうな人間にもどうにかして金を使わせようとしてくる。大した奴だ、恐れ入りました。営業マンというのはこうじゃなくては給料をもらう資格は無いのかもしれない。

ワタシは戦意喪失した。「あ、、、もう良いです、、、エコめがねは諦めます、、、すみませんでした、、、エコめがね無しで、、パワーコンディショナーとかの、、故障に気づく方法って無いですか、、無かったら良いですけど、、、やっぱり電力会社からの振込額を確認するしかないですか、、、(涙声)」

担当者からの金言

「そっすねー、パワコンが止まったらパワコンにエラー表示でるからそれを見たら良いっすよー」

喋り方が腹が立つ担当者だが良いことを教えてくれた。パワーコンディショナーの故障はパワーコンディショナーを見ればわかるというのだ。ワタシの家のパワーコンディショナーは脱衣所に2台取り付けられている。

パワーコンディショナーに小さな表示窓がある。

発電量がリアルタイムで表示されているではないか。パワーコンディショナーが故障したらここにエラー表示が出たり、表示自体が消えたりするのだ。

毎日目視で確認しよう

パワーコンディショナーの寿命が10年から15年なんだから、10年使ったなら壊れる前に交換すればいいじゃないかという考えもあるが、これは儲けたいゆえの業者の弁だと思う。寿命があるものでも長持ちするに越したことはない。イニシャルコストを利用期間で割ればランニングコストとなる。使える期間が長ければ長いほどランニングコストの単価は下がるのだ。

ワタシは決意した。今後は毎朝歯を磨きながらパワーコンディショナーが正常に働いていることを目視で確認しよう。エコめがねに頼るのはやめよう。どっちみちエコめがねなんて新築当時に何回か見てその後ログインさえしていなかったじゃないか。

そしてパワーコンディショナーが長持ちするように祈ろう。パワーコンディショナーが壊れたらその時にはまたエコめがねを導入するのも良いかもしれない。